

photo:Takahiro Kimura
木村圭市郎トークライブ
日時 2011年4月5日(火)
時間 18:30開場/19:30開演
チケット 前売¥1,500 / 当日¥1,800(共に飲食別)
出演:木村圭市郎
菊地武司(Re:WORKS)
杉田龍彦(ビーナイス)
木村タカヒロ(イラストレーター)
ゲスト:大塚康生(アニメーター)
森本晃司(アニメ監督)
小林治(アニメ監督)
ローソンチケットにて前売券発売中!【Lコード:36697】
■イベント内容(予定)
・往年のアクションアニメ(タイガーマスク、サイボーグ009、レインボー戦隊ロビンetc)制作秘話。
・オリジナル素描動画上映
・新作映像作品上映
・ゲストトーク
・親子トーク
・KKグッズ販売
「アニメーションは、一枚の絵に命を吹き込むことなんだ。こんな楽しい作業はないよ」
その楽しさ、喜びが紙に乗り移ったかのように、キャラクターたちは画面の中で活き活きと暴れまくる。
木村圭市郎は、頭の中にある格好いいフォルム、格好いいアクションを焼き付けるべく、いまも鉛筆を握り、動画用紙と格闘しています。KK-SPIRITでは、木村圭市郎の新作素描作品を、一枚絵とワンアクションの動画で紹介していきます。CGアニメーションが主流の時代に、腕一本、鉛筆一本で表現される、シンプルでプリミティブな世界をお楽しみください。
木村圭市郎 PROFILE
1938年4月5日生まれ。
1961年、東映動画に入社。『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』や『わんぱく王子の大蛇退治』の動画を経て、『少年忍者 風のフジ丸』で原画デビュー。続く『レインボー戦隊ロビン』で、早くもキャラクターデザイン、作画監督を担当。『タイガーマスク』での仕事は、後のアニメーターとアクションアニメに多大な影響を与え、大胆なアクションと力強い描線が、今もファンの間で語り草になっている。他の代表的な仕事は、劇場『サイボーグ009』、TV『サイボーグ009[第1シリーズ]』、『ピュンピュン丸』等々。
KEIICHIRO KIMURA
born in 1938
japanese legend animator
artist on active duty
主要作品リスト
■テレビアニメ作品
『少年忍者風のフジ丸』(1964)原画
『レインボー戦隊ロビン』(1966)キャラクターデザイン・作画監督・オープニング
『魔法使いサリー』(1966) 作画監督
『黄金バット』(1967)原画
『マッハGoGoGo』(1967)原画
『ピュンピュン丸』(1967)キャラクターデザイン・作画監督・オープニング
『サイボーグ009』(1968)キャラクターデザイン・作画監督・オープニング
『あかねちゃん』(1968)作画監督
『佐武と市捕物控』(1968)作画監督
『妖怪人間べム』(1968) 原画
『ひみつのアッコちゃん』(1969) 作画監督
『紅三四郎』(1969)原画
『もーれつア太郎』(1969) 作画監督
『タイガーマスク』(1969)キャラクターデザイン・作画監督・オープニング
『アタックNo.1』(1969)原画・オープニング
『ルパン三世』(1971) 原画
『赤胴鈴之助』(1972)作画監督
『荒野の少年イサム』(1973)作画監督
『空手バカ一代』(1973) 作画監督・オープニング
『小さなバイキングビッケ』(1974)作画監督
『UFO戦士ダイアボロン』(1976)作画監督
『ドカベン』(1976) 作画監督
『まんが日本絵巻』(1977) 作画監督
『魔女っ子チックル』(1978)作画監修
『ザ・ウルトラマン』(1979)原画
『無敵ロボ トライダーG7』(1980)作画監督
『最強ロボ ダイオージャ』(1981)作画監督
『黄金戦士ゴールドライタン』(1981)作画監督
『ゲームセンターあらし』(1982) 作画監督
■劇場作品
『サイボーグ009』(1966)キャラクターデザイン・作画監督
『サイボーグ009怪獣大戦争』(1967) キャラクターデザイン・作画監督
KK-SPIRIT 2009年9月 始動 木村タカヒロ
2008年夏、私は、父・木村圭市郎に作品制作の提案をしました。
それは、父が動きを考え、そこに私の絵をはめ込んでいく、というコラボレーション企画でした。
アクションを得意とする父のアニメートと、私のコラージュ手法が合体した格闘技アニメを作りたいと思ったのです。
ストーリーは無く、ただひたすら殴る、蹴る、の格闘シーンで見せる短編アニメ。
ジャガーマンという主人公が、対戦相手を変え、リングで戦うという、1〜2分程度の作品を考えていました。
父は面白がってくれて、しばらくして絵コンテが出来ました。
ジャガーマンの初戦の相手は、肥満のキャラクター・アーパン。
続いて、数カットの動画を見せられました。
予定では、ラフで描かれたその絵をガイドにして、私が絵を起していくことになっていました。
ところが、そのラフ画を見た瞬間、考えが変わりました。
確かな技術とセンスに裏打ちされたそのラフ画は、一枚絵としてとても格好良く、
これを私の絵に変えてしまうのは「もったいない」、
そして、「太刀打ちできない」と思ったのです。
さらに数枚のラフ画を映像ソフトに取り込み、再生してみて興奮しました。
若々しくてリズミカルでシャープ。格好いい!
たった2秒程度の動画を、繰り返し見てしまう。何度見ても飽きませんでした。
そうして、私のコラージュ案は却下され、父の絵のみで制作することになったのですが、
通常のアニメ制作では、原画マンがラフ画を描いたら、それをクリンナップ(清書)する人がいて、
さらに「中割り」といって、動きをなめらかにするために、中間の絵を描く人がいます。
ということで、私はクリンナップを試みました。
しかし、いくらやってもうまく行きません。何かが違うのです。
そこではたと気付きました。
「ああ、これは素描作品なんだ」と。
画家の素描作品を別の人間が上からなぞってしまったら、
それは別物になってしまうし、画家の生々しい活きた線は、どうしたって再現できない。
「大変だけど、全部一人でやってもらおう」
ということで、原画、動画、中割り、すべて父に描いてもらうことにしました。
この時点で、私の仕事はパソコンへの取り込みと編集ソフトへの取り込みのみとなりました。
父は、半世紀近くプロのアニメーターとして仕事をしてきました。
アニメーション作品は、多くのスタッフとの共同作業で作られています。
父はこれまで、作画監督や原画という「パート」を担ってきたので、
自分が描いたラフ画を、「作品」と呼ぶ習慣も意識もないようです。
なので当然、
「クリンナップしないとな」
「背景はどうする?」
「彩色は?」
という話になります。
ということで、私は試みました。
クリンナップ、背景描き、パソコンで彩色。
しかし、やっぱりダメでした。よくないのです。
小ギレイにはなりますが、素描画からみなぎるパワーは半減してしまう。
そうした試行錯誤を経て、
「素動」→素描動画。ドローイングアニメーションという領域にたどり着きました。
たとえば、油彩画が描かれる前段階のエスキース。
画家は、本番の前に構図をイメージしたり、フォルムを試行錯誤しながら、素描します。
それは、飾り気のない、ダイレクトなイメージの定着であり、
また、発表する前提で描いていないので、画家の「素」の状態、すなわち力量が露呈したりもします。
長い年月と、膨大な作画枚数と、本来持っている才能に裏打ちされた画家が、
スッと引く一本の「素」の線に、見る側は芸術的価値を見いだすのかもしれません。
父のデッサンも、
本人の意識が「完成に至る途中段階の絵」(ラフ画)にあるところに面白さがあると思うのです。
人に見せるために描いていない、奇をてらっていない、肩の力が抜けている。
だからこそ、圧倒的な技術と、美意識がストレートに伝わってきます。
消しゴムで消した線の跡や、動画用紙についたタバコのこげ跡、日によって変わる線の躍動感、
そのすべてが、作品のエモーショナルな要素となり、迫ってきます。
コラボ制作を提案してから1年、父のプリミティブな創作は加速するばかりです。
絵での共演は出来ませんでしたが、今の私の役割としては、
父に一枚でも多く作品を描いてもらうこと、一人でも多くの人に父の作品を知ってもらうこと、
そして、父の作品を通して、昭和の日本のアニメアーティストの底力を世界に発信していきたいと思っています。
木村タカヒロ イラストレーター HP


